地震や台風に備えて、飲料水や非常食を用意している家庭は多いのではないでしょうか。
では、「災害用トイレ」は何回分備えていますか?
普段は当たり前のように使っている水洗トイレも、災害による断水や下水道設備の損傷によって、突然使えなくなることがあります。
トイレは毎日使うものだからこそ、食料や飲料水と同じように備蓄しておきたい防災用品です。
この記事では、公的機関が示す備蓄の目安をもとに、家族の人数に応じた必要数量や、企業・自治体での備え方、非常用トイレを選ぶ際のポイントを解説します。
災害時にトイレが使えなくなるのはなぜ?

断水だけでなく、下水道の被害にも注意
地震や台風などの災害では、水道管や下水道管が損傷することがあります。
水道が止まると、普段のようにトイレを流すことができません。
また、水道が使える場合でも、排水管や下水道設備が損傷していると、汚水が逆流するおそれがあります。
そのため、災害後は排水設備の安全が確認できるまで、安易に水を流さないことが大切です。
トイレを我慢することによる健康への影響
内閣府の防災情報ページでは、災害時のトイレ問題について、衛生面だけでなく健康への影響も指摘しています。
トイレが使えない状況では、トイレに行く回数を減らそうとして、水分や食事を控えてしまうことがあります。
その結果、脱水症状や栄養状態の悪化などにつながるおそれがあります。
また、排泄物を適切に処理できなければ、悪臭や害虫、感染症の原因になる可能性もあります。
災害用トイレの備蓄は、単なる生活用品の準備ではなく、健康と衛生を守るための対策でもあるのです。
災害用トイレは1人何回分必要?
経済産業省が示す目安は1人1週間35回分
経済産業省では、災害用トイレの備蓄について、1人当たり1週間で35回分を目安として推奨しています。
これは、1日平均5回使用する想定に基づいた数量です。
内閣府も、2026年度の防災週間に関する資料で、携帯トイレ・簡易トイレなどを最低3日分、できれば1週間分程度備蓄することを呼びかけています。
つまり、災害用トイレを準備する際は、次の計算が参考になります。
1日5回 × 家族の人数 × 備蓄日数
家族の人数別・必要な備蓄数量
1日5回の使用を想定した場合の計算例です。
| 家族の人数 | 3日分 | 7日分 |
|---|---|---|
| 1人 | 15回 | 35回 |
| 2人 | 30回 | 70回 |
| 3人 | 45回 | 105回 |
| 4人 | 60回 | 140回 |
| 5人 | 75回 | 175回 |
| 6人 | 90回 | 210回 |
例えば、4人家族なら1週間で140回分が目安になります。
ただし、トイレの使用回数には個人差があります。
小さな子どもや高齢者、体調に配慮が必要な家族がいる場合などは、それぞれの生活状況に合わせて数量を調整しましょう。
非常用トイレを選ぶときの4つのポイント
災害用トイレには、便器に袋を取り付けて使うタイプや、組み立て式の簡易トイレなど、さまざまな種類があります。
家庭や職場の設備に合ったものを選ぶことが大切です。
1.水を使わずに使用できるか
断水時に備えるなら、水を流さずに排泄物を処理できるタイプが便利です。
既存の便器に専用の袋を取り付け、凝固剤で排泄物を固めるタイプなら、便器が安全に使える状態であれば、普段のトイレ空間を活用できます。
2.臭いや衛生面に配慮されているか
使用済みの排泄物は、災害時にすぐ回収されるとは限りません。
そのため、凝固剤の性能だけでなく、袋の密閉方法や一時保管のしやすさも確認しましょう。
消臭機能を備えた製品もありますが、臭いを完全になくせるわけではありません。
3.必要な付属品がそろっているか
凝固剤だけでは使用できない製品もあります。
購入前に、次のような内容を確認しておくと安心です。
- 凝固剤
- 排泄物を受ける汚物袋
- 使用済みの袋をまとめるごみ袋
- 便器を保護するカバー
- 使用方法を記載した説明書
トイレットペーパーや手指衛生用品なども、別途備えておきましょう。
4.保存期間と保管方法
防災備蓄では、保存期間の確認も重要です。
長期保存に対応した製品は、入れ替えの頻度を抑えやすく、家庭だけでなく企業や自治体での備蓄管理にも役立ちます。
ただし、保存期間が長くても、保管環境や製品の状態を定期的に確認する必要があります。
家庭・企業・自治体ではどう備える?

家庭では人数と保管場所を確認
家庭では、まず家族全員が1週間使用する場合の数量を計算しましょう。
非常用トイレをトイレの近くに保管しておけば、断水時にも取り出しやすくなります。
また、家族で一度使い方を確認しておくと、いざというときの戸惑いを減らせます。
企業では従業員数と滞在時間を考慮
企業の場合、従業員が災害によって帰宅できなくなる状況も想定しておきたいところです。
例えば、30人が3日間滞在し、1人1日5回使用する場合、計算上は450回分が必要になります。
ただし、これは単純な試算です。実際には滞在人数、勤務体制、来訪者の有無などを踏まえて備蓄計画を立てましょう。
また、備蓄場所を分散し、管理担当者や補充方法を決めておくことも重要です。
自治体・避難所では配布と回収まで考える
自治体や避難所では、利用者数に応じた数量の確保に加えて、使用済みトイレの管理も必要になります。
内閣府の「避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン」では、災害発生後の時間経過に応じて、携帯トイレや簡易トイレ、仮設トイレなどを組み合わせる考え方が示されています。
備蓄時には、数量だけでなく、配布方法、使用方法の周知、回収場所、衛生管理なども検討しておきましょう。
こうした備えの選択肢として、長期保存できる非常用トイレ
家庭や企業、自治体で非常用トイレを備える際には、必要な使用回数を確保しやすい製品を選ぶ方法があります。
ナンバーグループショップでは、炭入り凝固剤を使用した「非常用簡易トイレ」を取り扱っています。
非常用簡易トイレ 100回分×6個セット
「非常用簡易トイレ」は、水を使わずに排泄物を処理できる防災用品です。
主な特徴は次のとおりです。
- 100回分を6個セットにした合計600回分
- 炭入り凝固剤を採用し、消臭・抗菌に配慮
- メーカー表示で15年間の長期保存に対応
- 汚物袋・ごみ袋・便器カバーが付属
- 既存の洋式・和式トイレに対応
- 防災士監修の非常用トイレセット
凝固剤は、メーカー掲載の試験で消臭性能や凝固能力が確認されています。ただし、実際の効果は使用条件によって異なります。
1ケース600回分のため、企業や施設など、まとまった数量を備蓄したい場合にも検討しやすい販売形態です。
例えば、30人が1日5回使用する想定なら、600回分は計算上4日分に相当します。
非常用トイレは備蓄後の管理も大切
災害用トイレは、購入して保管するだけでなく、使える状態を維持することが重要です。
家庭では、保管場所を家族で共有し、定期的に数量や保存期間を確認しましょう。
企業や自治体では、備蓄品の管理台帳を作成し、担当者や点検時期を決めておくと管理しやすくなります。
また、使用済みの袋は自治体の指示や廃棄ルールに従って処理します。災害時にはごみ収集が通常どおり行われない可能性もあるため、一時保管場所も考えておきましょう。
まとめ|災害用トイレの備蓄数を確認してみよう
災害用トイレは、断水時の生活と健康を支える大切な防災用品です。
経済産業省が示す目安は、1人1日5回、1週間で35回分です。
4人家族なら140回分が一つの目安になります。
ただし、必要な数量は家族構成や滞在人数、使用状況によって異なります。
家庭では家族全員の必要数を、企業では従業員や来訪者の人数を、自治体では避難者数や運用体制を踏まえて備えを考えることが大切です。
非常食や飲料水を点検する際には、ぜひ非常用トイレの数量や保存状態も一緒に確認してみてください。

